渋谷の映画館ユーロスペースではキュレーションアプリ「antenna*」と共同で、 ユーロスペースがプッシュする素晴らしい映画と、映画に描き出されるライフスタイルにフォーカスを当てたトークショーを 組み合わせた、映画の新しい楽しみ方を提案するイベントを定期開催。

希望のかなた,トークイベント,北欧デザインの魅力,河東梨香,鈴木マサル,THE OTHER SIDE OF HOPE

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その第 1弾として、大ヒット上映中の2017年ベルリン映画祭銀熊賞(監督賞)受賞のフィンランドの名匠アキ・カウリスマキ監督最 新作『希望のかなた』をピックアップし、12月23日(土・祝)の上映後に、北欧にゆかりの深いテキスタイルデザイナーの河 東梨香さんと鈴木マサルさんをゲストに迎え、フィンランドの生活風景とそこに生きる人たちの姿を独特の視点で描き出 したこの作品を入り口に、北欧ならではのデザインや色彩感覚について語っていただきました。

<antenna*cinema vol.1 映画『希望のかなた』トークイベント>
■日時:11月23日(土・祝)
■場所:渋谷・ユーロスペース
■登壇:河東梨香(テキスタイル・インテリアデザイナー) 、鈴木マサル(テキスタイルデザイナー)
■司会:小川智宏(antenna*)
■主催:antenna*×ユーロスペース

デンマーク人の母を持つテキスタイル&インテリアデザイナーの河東梨香さんと、2010年よりマリメッコのデザインに参 加し自身のファブリックブランドも持つテキスタルデザイナーの鈴木マサルさん。ともにムーミン関連のデザインも手掛け ているという共通項も持つ北欧にゆかりの深い二人が、映画『希望のかなた』上映後のトークイベントに登壇した。

実はカウリスマキ作品を鑑賞するのははじめてだったと告白した河東さんは、映画『希望のかなた』について、「はじめは 独特のリズムに戸惑った。難民という難しいテーマを描いているが、決してつらく悲しいだけでない希望のある終わり方」 と感想を述ました。また「光の描き方がおもしろい。まるで絵画のよう」とレストランオーナーのヴィクストロムが一人で酒 を飲むシーンをお気に入りに挙げた。

一方の鈴木さんは開口一番「知り合いがたくさん出ていてびっくりした!寿司屋の シーンで登場する(日本人エキストラ)の半分くらい」と答え、続けて「僕が普段やってるデザインはいわゆるジャパニーズ 北欧というか、わりとかわいいイメージで日本ではとらえられているが、カウリスマキ作品は、彼独自の世界観はあるに せよ、実際のフィンランドのある種の暗さをとらえていて案外リアルだった」と映画の印象を語った。

河東さんはフィンランドについて自身がよく知る「デンマークともまた全然違っている。どちらかというと幼いころ住んでい たロシアに似てる。歴史的にも統治下にあった影響が色濃く残っているのではないか。」と北欧諸国でも国によってそれ ぞれ違った個性を持っていることを伝えた。

続いて、鈴木さんは自身も携わるフィンランドを代表するブランドで、ポップな印象のあるマリメッコについて、「マリメッコは まだできて60年そこそこのブランド。日本では北欧ってカラフルなイメージがあると思いますが、フィンランドはマリメッコ以 前には全然そうではなかった。何もないフラットな空間があったからマリメッコのような鮮やかなデザインがポンと入ってき たんだと思う。カウリスマキ監督の作品はタイプライターが出てきたりとレトロな世界観。きっと昔のフィンランドのイメージを 意識してるのかもしれないですね。」と分析した。

トークの後半ではお二人が北欧で撮影した写真をスライドに流しながら北欧デザインの特徴について掘り下げた。河東さ んは福祉施設や公共施設の写真を複数紹介。「壁や床にブルーや水色が多用されている。そこに対になる赤の椅子を 持ってきている。こういったコントラストはブルーの壁、赤い絨毯といったカウリスマキ作品に通じる。」と語った。最後には 1930年代に著名な建築家アアルトがデザインしたヘルシンキにある「レストラン・サボイ」を紹介。

カウリスマキ作品に登場 するレストランに雰囲気が似ているとして、会場の皆さんにオススメした。続いて鈴木さんはやはりカウリスマキ作品のレス トランに似ているとして、ヘルシンキ郊外のオールドスタイルのレストランの写真を紹介。「モノを大切にする文化があって、 食器とかもずっと同じブランドのものを使い続けるからスタイルが変わらない」と説明した。

昨今、日本で北欧デザインのブームが続いており、カウリスマキ監督も小津安二郎を意識するなど日本びいきとしても知ら れている。北欧と日本の共通点について鈴木さんは「シンプルなものを好む。精神性が近いのかもしれない。東の果てと北 の果て、どちらにも辺境の美学があるのではないか。」と分析した。

劇中でのトンデモ寿司屋が強烈に印象に残ったというお二人。最近ではヘルシンキに寿司バイキングができるほどに実際 寿司ブーム。オススメのネタはやはりサーモンとのこと。
antenna*×ユーロスペースでは今後も良質な作品からライフスタイルをテーマに語り合うコラボトークイベントを定期的に 開催する予定。

【登壇者プロフィール】

■河東梨香(かわとう・りか)

ドイツで日本人の父とデンマーク人の母の間に生まれ、旧ソ連、スウェーデン、アメリカ、日本で幼少期を過ごす。米国の ロードアイランドスクールオブデザイン大学テキスタイルデザイン科を卒業後、日本の繊維メーカーにてテキスタイルデザイ ナーとして大手自動車会社向けファブリックのデザインと開発を行ったのち独立。2011年にtonaデザイン事務所を設立し、現 在は東京をベースに色と素材感を大切にしたデザインで国内外で活動中。

■ 鈴木マサル(すずき・まさる)

多摩美術大学染織デザイン科卒業後、粟辻博デザイン室に勤務。独立後、2002 年に有限会社ウンピアット設立。2005 年か らファブリックブランド OTTAIPNU(オッタイピイヌ)を主宰するほか、2010 年からはフィンランドの老舗ブランド marimekko (マ リメッコ)のデザインを手がけるなど、現在、国内外の様々なメーカー、ブランドのプロジェクトに参画している。東京造形大学 教授、有限会社ウンピアット取締役。

【STORY】

内戦が激化する故郷シリアを逃れた青年カーリドは、生き別れた妹を探して、偶然にも北欧フィンランドの首都ヘル シンキに流れつく。空爆で全てを失くした今、彼の唯一の望みは妹を見つけだすこと。ヨーロッパを悩ます難民危機のあおり か、この街でも差別や暴力にさらされるカーリドだったが、レストランのオーナーのヴィクストロムは彼に救いの手を差しのべ、 自身のレストランに雇い入れる。そんなヴィクストロムもまた行きづまった過去を捨て、人生をやり直そうとしていた。それぞ れの未来を探す2人はやがて“家族”となり、彼らの人生には希望の光がさし始める…。

監督・脚本:アキ・カウリスマキ/
出演:シェルワン・ハジ、サカリ・クオスマネン
2017年/フィンランド/98分/フィンランド語・英語・アラビア語/DCP・35㎜ /カラー/
原題:TOIVON TUOLLA PUOLEN/
英語題:THE OTHER SIDE OF HOPE/
字幕翻訳:石田泰子/
提供:ユーロスペース、松竹/
配給:ユーロスペー ス/
宣伝:テレザ
後援:フィンランド大使館、
協力:国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)駐日事務所、特定非営利活動法人国連UNHCR協会
推薦:カトリッ ク中央協議会広報
© SPUTNIK OY, 2017
http://kibou-film.com/

2017年12月2日(土)より、渋谷・ユーロスペースほか全国順次公開中!




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